「この仕事に将来はあるのだろうか?」
就職や転職を考えるとき、多くの人が気にするのが“将来性”です。とくに施工管理のような建設業界の職種は、少子化や技術革新の影響を受けやすく、10年後も必要とされているのか不安に感じる人もいるでしょう。
その中でも、内装施工管理はどうなのでしょうか。設備や構造といった“建物の骨格”ではなく、壁紙・床・照明・間仕切りなど“内側”の仕上げを管理するポジション。住宅だけでなく、店舗やオフィス、公共施設など幅広い現場で必要とされる職種です。
一方で、「AIや自動化で管理の仕事もなくなるのでは」といった声があるのも事実です。けれど実際のところ、内装施工管理という仕事は、今後の時代においても高い需要を維持し続けると考えられています。
この先のセクションでは、業界の動きと技術の進化、働き方の変化といった観点から、内装施工管理の“これから”を現実的に見ていきましょう。
ニーズは減らない?拡大する内装分野の役割
まず押さえておきたいのは、「内装工事のニーズは建設業界の中でも堅調に伸びている」という点です。たとえば、新築の着工数がやや落ち着いてきている一方で、既存の建物を改装・再活用する「リノベーション」「コンバージョン」といった案件は年々増加傾向にあります。これらの工事では、建物の構造には手を加えず、内装だけを全面的に刷新するケースが多く、内装施工管理の役割が非常に大きくなっています。
また、住宅に限らず、テナントの入れ替わりが激しい商業施設や、定期的な改修が必要なホテル・オフィスビルなどでも、内装工事は避けて通れません。しかも、外装や構造に比べて短期間で工事が完了することが多いため、スピード感のある施工管理が求められ、現場の動きを支える人材の確保が課題になっています。
さらに、住宅の多様化・高齢化・省エネ化に伴い、内装のデザインや機能性に対するニーズも高まっています。それに応じて、照明・床材・バリアフリー設計など、より細かな管理が必要になる場面が増え、内装施工管理の専門性がより重要視されるようになってきました。
このように、単に「現場を回すだけ」の仕事ではなく、顧客の要望を踏まえて仕上げを調整する柔軟さや、職人との調整力が問われる職種として、今後も重宝されていく見込みです。
技術革新があっても、人が動かす現場はなくならない
建設業界では今、図面のデジタル化や工程管理ツールの導入など、DX(デジタル・トランスフォーメーション)が加速しています。たとえば、施工管理アプリを使って写真の共有や進捗の報告がスムーズになったり、材料の発注をクラウド上で行えたりと、かつて紙や電話に頼っていた業務が効率化されつつあります。
しかし、こうした技術が進んでも「現場そのもの」が自動化されるわけではありません。内装工事では、現場ごとに条件が違い、職人の手仕事が中心になるため、管理者の判断力や臨機応変な対応は欠かせません。むしろ、ITの活用によって情報整理や記録が楽になったぶん、本質的な「人との調整」や「場の判断」に集中できるようになったとも言えます。
また、AIが得意とするのは、過去のデータをもとにした予測や分類です。ところが、実際の内装現場では「図面通りにいかない」「お客様の都合で予定が変更になる」「材料が遅れてくる」といった“例外”が日常的に起こります。こうした事態に対し、現場を止めずに調整し続ける力は、まだまだ人にしか担えない領域です。
だからこそ、今の時代に求められているのは、「技術を使いこなせる人」ではなく「技術と人をつなぐ人」です。ITやAIを使いながら、現場で起きる“想定外”を受け止め、冷静に動かす力。それこそが、内装施工管理の将来を支える核になるのです。
キャリアアップできる仕事か?内装施工管理の将来像
将来性という言葉には、「仕事がなくならないか」という意味と同時に、「長く続けることで成長や昇給があるか」という問いも含まれています。では、内装施工管理の仕事には、どんなキャリアパスがあるのでしょうか。
この職種は、経験を積むほどに信頼が蓄積され、より大きな現場や複数案件の同時進行など、責任ある仕事を任されるようになります。たとえば、小規模な原状回復工事からスタートし、数年後には店舗の内装やオフィス改装など、予算規模も日数も大きな案件を担当する人もいます。
また、一定の経験を積むと、施工管理技士などの国家資格に挑戦できるようになります。資格を取得すれば、公共工事の管理業務に携わることができたり、会社の中で役職に就くチャンスが増えたりと、将来的な選択肢が広がります。実務経験が資格要件に含まれるため、「まずは経験を積む」ことが最短ルートになります。
近年では、現場に詳しい人が営業や企画に異動し、施工と顧客提案の橋渡し役として活躍する事例も増えています。内装分野における知識と現場感覚は、会社にとって代えのきかない価値を持ちます。管理職、現場統括、専門職といった複数の進路が描けるのも、内装施工管理の強みです。
このように、“働きながら成長できる”構造がある仕事は、長く続けるほど報われるという意味でも、非常に堅実な職種だと言えます。
若手人材が求められる理由と、今がチャンスである背景
内装施工管理の仕事には、若い世代の力が強く求められています。理由のひとつは、職人・管理者ともに高齢化が進んでおり、現場の中核を担う人材が今後ごっそり抜けていくからです。長年の経験を持つ人が引退していくなかで、バトンを受け取る若手の育成が、業界全体の課題になっています。
さらに、建設業界はここ数年で大きく変化しています。働き方改革の影響で残業時間や休日が整備されつつあり、以前に比べて職場環境は改善されてきました。ITツールの導入も進み、現場の報告や資料作成がスマートフォンで完結するなど、業務負担も軽減されつつあります。
このような“変わりつつある今”は、未経験者や若手が入りやすい貴重なタイミングでもあります。すでに安定した業務フローが出来上がっている職場よりも、若手の意見を取り入れようとする会社が増えており、新しい力が歓迎されやすい環境になってきているのです。
将来的には、現場の中心を担うだけでなく、会社の成長や仕組みづくりにも関われるポジションが見えてくるかもしれません。業界が転換期にある今だからこそ、未経験でも挑戦しやすく、キャリアを築きやすいチャンスがあるのです。
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「変わらない現場」を支える仕事を選ぶということ
AIやリモート化が進んでも、人の手と目が欠かせない仕事があります。内装施工管理は、まさにそのひとつです。図面を読んで段取りを組み、職人と話しながら現場を整えていく――この作業には、現場ごとの空気や人の動きに合わせる“調整力”が欠かせません。
もちろん、楽な仕事ではありません。でも、自分の働き方を形にできる職種であることは間違いありません。手応えを感じながら働きたい人、人とかかわることが苦にならない人には、きっとやりがいのある選択肢になるはずです。
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